「いらっしゃいませ!こんばんは!」
22時過ぎに店長の元気な声が響き渡る!
それと裏腹に、私の心の中は、
「おいおい、今お客が入ったら、飲み会間に合わないじゃんよ!」
元気なく少し反抗した声で、店長の声に続く
「いらっしゃいませ・・・」
そんな私に、店長が気づいたのか、
「どうした!少し疲れたのか?今日は忙しくて頑張ったからな!あと俺がやっておくから、お前はもう上がっていいぞ!」
怒ることもせず、店長はそう私に言い残し、お客様の元へ笑顔で向っていった!
結局私は、店長の言葉に甘え、通常より少し早い22時半にはお店を出て、駆け足で、友人の待つ居酒屋へ・・・
高校の時の友人との久しぶりの再会、茶髪・金髪・腰パンだった、同級生が短髪、黒髪、スーツで仕事の事を熱く語っている姿を目の前にし、私は、先ほどの店長との出来事が頭から離れなかった!
当時私は22歳、ステーキ専門店で社員として働いていた。
元々はフリーターでお店のオープニングからアルバイトを始め、店長に「お前は、日本一の店長になれる!まずは社員になって、俺と一緒にお店を盛り上げていこう」と常々声をかけられていた。
高校時代、数多くのアルバイト経験があり、特に飲食店の接客業は中でも経験が多く、苦手意識は全くなかった為、まぁフリーターでふらふらしているより、正社員になった方がましだろうな!という目的意識もない「なんとなく」で社員になることを承諾したという訳だ!
飲みすぎて、今でも吐きそうな体に、無理やり水を飲みこみながら、明日店長に謝ろう!そして、どんな気持ちで働いているか聞いてみよう!と心に決め、床に就いた・・・。
翌朝、眠い目をこすりながら、いつもよりも早くお店に出勤した。
今考えると、店長は必ず私よりも早く出勤し、元気な声で、「おはよう!」と声をかけてくれている。これが当たり前の光景!けどちょっと待てよ!
この当たり前って、自分がいざやろうとすると、難しくない?
今朝の私も、今日は早く出勤しよう!と思いながらも、あと5分・・・あと3分・・・、早く出勤するのは明日からでいんじゃない・・・。
このような戦いに何とか勝ち、いつもより3本早い電車に駆け込んだ!
いつもより、30分早くお店につくと、
「ゆういちおはよう!今日は随分早いじゃないか?体は大丈夫なのか?」
おい!まじかよ!もう店長出勤してるの?どんだけ朝強いんだよ!
「あっ!おはようございます!昨日はありがとうございました!いや、昨日早く帰らせてもらって元気になったんで、今日は早く出勤しようかと思いまして・・・」
とっさに不意をつかれ、
昨日友人と居酒屋で飲んだことは、結局言えなかった、もちろん謝れなかった。
「おう!そうか、それは良かった!その気持ちは凄く嬉しいな!じゃ今日も1日頑張ろう!」店長の元気な声がフロアに響いていた!
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◆学びポイント◆
- 率先垂範
- 「やろう」と「できる」は違う
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