店長からの教え~先手の挨拶~

店長からの教え

「いらしゃいませーこんばんは」
店長の声に続き、
「いらしゃいませー♪」
さらに私の声に続き、サトミが1キー高い声で「いらっしゃいませーー♪♪♪」

「おぅ、何だか今日はみんな元気で、声が出ていていいな!」
店長が明るい表情でつぶやいた!

ディナーのピークが終わり、締めの片づけをしながら店長が話しかけてきた
「ゆういち、さとみ、今日は二人とも笑顔で、声が出ていて、凄く良かったよ!
お客様も笑顔で帰っていてたぞ!これからもこの調子で頼むよ!」
単純な二人は、店長が褒めてくれたことにより、あからさまに閉め作業の速度が上がったのだった。これも今となっては、店長のマネージメントだったのか!と思うのである。

「そういえば、“あいさつ”の意味って知ってる?」


閉め作業は一段落したところで、店長が僕らに質問をしてきた。
「“あいさつ”の意味ですか? “あいさつ”に意味なんてあるんですか?」
「ゆういち知らないのか?もちろん意味はあるんだよ!」
「‥‥考えた事もなかったです。」
「わたしも…」
あいさつの意味なんて考えたこともなかったので、私もサトミも返す言葉すら出てこなかった!

「挨拶ってのは、【自ら心を開いて、相手に迫る】っていう意味なんだ!


だから、私がゆういち、おはよう!って言って、ゆういちが店長おはようございます!って挨拶返しをするけど、厳密言うとこれって“挨拶”にはならないんだよ!
あくまでも“挨拶”は先手をとる!これが重要なんだ!」
「マジですか?全然知りませんでした・・・」
「挨拶が先手で出来る人って、なんだか感じがよく見えるだろう?」
さとみと目を合わせ、二人でハモリながら
「たしかに…」
「挨拶を先手で出来る人って、確かに感じがいい気がする。逆に目も合わせず、挨拶もしない人は、凄く感じが悪く見えるしね!」
「たしかに、挨拶されなかったら、何だか機嫌がわるいんじゃないか?怒っているんじゃないか?スゲー気になるよね」
店長が自慢気に、
「だろう!だから挨拶は相手の目を見て、元気に、先手を取る!これが重要なんだ!
よく、“私コミュニケーションをとるのが苦手で、人と何を話していいか分からないんです”っという人がいるけど、上手くしゃべる練習をする前に、しっかりと “あいさつ”ができる人の方が感じが良く見えるんだ!」
またしても、さとみと目を合わせハモリながら
「なるほど~~」
「よ~し!明日から先手のあいさつを頑張ろう!」
「わたしも!」
「よ~し!その勢いは大切だね! じゃぁここで一つ質問!」
「えっ!なんですか?」
「二人ともお客様には、あいさつしてる?」
「・・・」
「常連様の高橋さんには、来店してくれた時に、“こんにちは”と声をかけたりしているかな!?」
「お!?ゆういち!それは素晴らしいねぇ!」
「じゃあ、それ以外のお客様は?」
「”いらっしゃいませ!”と声をかけています…」
「わたしも!笑顔でいらっしゃいませ♪って声をかけてる」
店長は少し鼻をこすりながら、さらに自慢げな顔で、
「じゃぁ、いらっしゃいませ!って声をかけられて、二人なら何て言葉を返すかな?」
「・・・・」
二人とも目を合わせながら、ハモることができずに沈黙が続く・・・
「いらっしゃいました・・・」
沈黙を破ったのはサトミだった!
うふぅぅ!アハハハ!
「いらっしゃいました!とは言わないだろぅ、絶対!」
「じゃぁ!ゆういちさんは何て返すんですか!!」
考えに考えたが、結局
「か…かえ‥せない」
「やっぱり、ゆういちさんも分からないじゃないですか!」
「ピンポーン!ゆういち正解!」
店長が大きな声で割って入る。
「そう!そうなの!いらっしゃいませ!と元気に挨拶されても返せないんだよねぇ!
だから、必ず!いらっしゃいませ!の後に“こんにちは”や“こんばんは”をつける事で、
お客様に挨拶が先手ででき、お客様も“こんにちは”、“こんばんは”と返してくれることによって、会話のキャッチボールが生まれ、印象がよくなるんだ!」
「へぇ~~!確かに!確かに!すごーーい」
先ほどの嫌な空気が嘘のように、二人で盛り上がっていた。
「だから、店長はいつも“いらっしゃいませ”のあとに“こんにちは”や“こんばんは”をつけていたんだ!なん~だ!だったら、早く教えてくれればよかったのに!」
「ごめん!ごめん!でも明日からは、お客様へも先手の”さいさつ”を、皆で出来るように頼むぞ!」
「はい!喜んで!」
最後もしっかりと二人でハモリ、明日から“先手のあいさつ”を意識しようと、心に決めたのであった!

次の話は、こちらから

◆学びポイント

  • 先手の挨拶
  • 「いらっしゃいませ」+「挨拶」

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