店長からの教え　＃モノ消費からヒト消費へ

「いらっしゃいませ！こんにちは！２名様ですね！こちらの席にどうぞ！」
満面の笑顔でご案内！　16時を回っているのにも関わらず、まだ店内は込み合っていた！
「やっぱり凄いですね」
「凄いな！ところでゆういち、このお店なんでこんなに、混んでいるんだと思う？」
「そりゃ！味が美味しいからじゃないですか！飲食店はやっぱり味がすべてじゃないですか！」
「まぁそりゃそうなんだけど！じゃあ、このモールの３階に10店舗の飲食店があるけど、どこかのお店でまずい飲食店ってあるか？」
「い、いや…、この先のイタリアンのお店も、隣のとんかつ屋さんもどこも最高に美味しいです。はずれのお店は１つだってありません！」
「だよね！けどそれじゃあ、おかしくないか？味が全てだったら、どこも同じぐらい混んでいいはずだよね！」
「た…確かに！」
「じゃあ、何が他のお店と違うんだろう？」
「・・・」
「よーく店内を見てごらん！」
「は、はい」
「お客様の表情はどう？」
「えがおです」
「じゃあ、働いているみんなの表情は？」
「あ、笑顔だ！　キッチンのスタッフまで、笑顔で働いている」
「なぁ、ゆういち！　飲食店は確かに”味”は凄く重要だ！ただそれ以上に、スタッフの接客・サービスはもっと大切だと俺は思っている！どんなに美味しいレストランでも、スタッフの態度が悪く、鼻毛全開で料理を運ばれたら、もう１回足を運ぼう！とは、なりにくいよね！」
「確かに！」

これからは、モノ消費（料理）ではなく、コト消費（体験）でもなく、ヒト消費（人財）になる！　料理目当てではなく、スタッフに会いに来る時代になるんだよ！

「なんだか、凄いですね！そうか、料理よりもサービスの方が価値が上か！」
普段、ホールでお客様対応を任せれている自分としては、この店長の言葉で、確実にテンションが上がっていくのが分かった！
今となっては、店長が上手く自分をマネージメントしていたのだろう！
ただ、その時は、そんなことも分からず、スゲー時代が来る！と心を躍らせひたすら、ウキウキしているのだった！
もちろん、店長に謝る事もすっかり忘れ、この後のディナーの営業があるにも関わらず、定食をお腹一杯食べ上げたのは言うまでもない・・・。

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