店長からの教え~子供の笑顔~

店長からの教え

「店長、すみません、食べすぎました!」
「まだピークまで時間があるから、休憩室で休んでいいぞ!」
「すみません!ありがとうございます。その分、ディナーピークは最高の笑顔で頑張りますので!」
何ともお調子者だ、
今思うと、店長はこんな部下で本当に大変だったと思う・・・。
そんなことは当時の私はさて知らず、満腹のお腹を抱えながら休憩室に向った。

休憩室に着くと、出勤前のアルバイトの女の子、サトミが元気なさそうな表情で、座っていた!

「さとみ~!おはよう!なんか元気なさそうじゃん!いつも笑顔なのに!どうかしたの?」明るく元気に、声をかけた。

さとみは、少しびっくりした表情で、
「ゆういちさん、おはようございます…。なんだか、元気が出なくって…」
「学校でなにかあったの?」
「いいえ…、何だかバイトが上手くいかなくて…」
「そうなんだぁ!どこの部分が上手くいかないの?」
「私、凄くトロイじゃないですか?ミスも多いし、この前も、忙しすぎて、サラダにカレーかけちゃうし…」
うふぅぅ!アハハハ!
「確かに!サラダにカレーかけた子初めて見た!その前は、コンソメスープにオリーブオイルじゃなくて、醤油大量に入れてたし!サトミ面白すぎるよね!」
「もうやめて下さい!ゆういちさんはそうやって、笑ってくれますけど、他の人はどんくさいと思ってますって!絶対!」
俺もどんくさいとは思ってるんだけどなーっとは思いながらも、、、
「けどさぁ、サトミっていっつも笑顔じゃん!それって凄い事だと思うよ!」
「笑顔なんて誰でも出来るじゃないですか?そんなの子供だってできますよ!」
確かにと思いながらも、以前本で読んだことを想い出しながら、サトミに質問をした
「ねぇサトミ、子供って1日何回笑うか知ってる?」
「何ですか急に!」
「いいから答えてみて」
「うーーーん、100回くらいですかね」
「いい線ついている! 実はね、400回笑うんだって!」
「そうなんですか…、だから何なんですか?」
「じゃあ、大人は1日何回笑うんだと思う?」
「なにか意味あるんですか?」
「いいから、大人は1日何回笑うんだと思う?」
「うーーん、子供が400回だから、大人は100回くらいですか?」
「13回!」
「え!?」
「だから、13回!」
「13回しか笑わないんですか?」
「たぶん、さとみは、1日500回くらい笑ってるんじゃない!」
「500回はどうか分からないですけど、確かに、笑顔が素敵だねとは言われたりします。」
「ねぇサトミ、大人は1日13回しか笑わないのに、サトミは1日500回笑てる!これって凄い事じゃない!子供でも出来る事が、大人になると出来なくなることってあるってことだよ!それをサトミは大人になっても出来る!」
「あと、これは店長が言ってたんだけど、笑顔って伝染力があるらしいよ!だから笑顔の人がいっぱいいると自然とその笑顔が伝染して、自分も笑顔になっちゃうみたい!
ディズニーランドが良い例だよね、ディズニーランドのキャストさんが、みんな笑顔ではなく、だるそうな表情をしていたら、あんなにみんなが行きたい!って思わなくなるんじゃないかな?だから、ちょっとのミスなんて気にせず、笑顔一杯でがんばればいいんじゃない!」
「そうなんですかね!」
「今日店長とランチしたんだけど、これからは料理の味よりも、ヒトの方が重要になるって言ってたよ! 要は、ステーキを食べに行こう!ではなく、サトミに会いにステーキ屋に行こう!になっていくってことなんじゃないかな!だから、普段笑わない大人が笑顔を求めに飲食店に行く!っていう時代になるんじゃない!その時に強いのは、仕事を早くこなせる人よりも、沢山のお客様に求められる“笑顔”の素敵な人なんじゃないかな!」
何だか、偉そうにそれらしいことを語ってしまった…。と思っていたら、サトミが急に立ち上がり、、、
「ゆういちさん!ありがとうございます。 なんだか元気でました。
サラダにカレーをかけても気にせずに、笑顔で頑張ります!じゃあ!そろそろ時間なんで!」
と小走りで、休憩室を出て行った!
サラダにカレーはどうかと思うけど、まぁ元気になったみたいで良かったのかな!?
「さぁ!俺もディナータイム、笑顔で頑張ろうっと!」
サトミを追いかけるように、休憩室を後にした。

今になって思い返すと、この1件から、“笑顔”を意識するようになった!
知っている知識を、誰かに伝える事により、自身の知識が深まり、自分がより“意識”するようになる!
つまり、「知っている状態」から「出来ている状態」へ進むのだと、今となっては感じる。 ただ当時の私はそんなことは全く分からず、ただ”笑顔”は大切だ!と、口にする回数が増えて行っただけだった。

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◆学びポイント

  • 1日の笑顔回数 子供:400回 大人:13回
  • 長所を伸ばす
  • 誰かに伝えることで「知っている」から「出来ている」へ進む

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