店長として着任当日!溢れんばかりの気合と熱量、そしてちょっとの不安を抱えながら店舗へ向かいます。しかしその気合と熱量も、3ヶ月後にはすっかりなくなり、店舗の業績も・・・。なんて話は沢山聞きます。「まぁ新人店長さんだからしょうがないよ!失敗も良い経験!」と上司に励まされたのが良い経験と話してくれる方もいますが、出来る事なら、すぐに結果を出したいと思いますよね。本日は、新人店長さんが店長として着任した際に、やるべき事を教えます。ただがむしゃらに頑張っても適切な成果は出にくいです。やるべき「優先順位」をつけ改善を進めていきましょう!
がむしゃらに頑張る前に、やるべき事の優先順位をつけよう!
それでは、いきなり結論ですが、店長着任時にまずすべき事それは「人材育成」です!売上やコスト改善など、利益に直結する行動をし、すぐにでも数字結果を改善し上司や仲間に認められたいと思いがちですが、まずは人材育成に力を入れることでお店の改善の下地作りをすることが重要です。
なぜ「人材育成」から始めるの?
- 客数改善
- 単価改善
- 人件費改善
- 原価改善
- 店内環境改善(ハード)
- 仕組み改善
人材育成の他にも、店長に着任したら、やるべき事が盛りだくさん!この中でなぜ「人材育成」に取り組むべきか?それは、「店長一人では、全ての仕事を出来ないから!」です。飲食店は、店長一人で営業するのではなく、多くのアルバイトさんと共に働きながら、チームとして「結果」を出していきます。どんなにやる気がある店長でも、仲間がついてこず、一人で頑張っていても、限界があります。まずアルバイトさんを育成し、チームとしてお店を改善していく事が、最短のお店の改善方法です。
人材育成って何からすればいいの?
人材育成が大切なのはわかったけど、具体的になにからすれば良いのか分からない?っと思いましたよね。安心して下さい。順番に育成方法をお伝えしていきます。冒頭でも説明しましたが、がむしゃらに頑張っていても、なかなか結果に繋がりません。店長着任時の人材育成においても「優先順位」を決めそれに従って行動することで、適切な結果が得られるので、ぜひ優先順位を意識し行動して行きましょう。人材育成の優先順位はこの通りです。
①働いているアルバイトさんの事を理解する
➁店長のやりたい事を伝える
➂率先垂範
④やり方を教えて、やってもらう
⑤褒める(必要があれば改善を伝える)
人材育成も優先順位が重要だよ!
アルバイトさんの事をまず理解する
いきなりですが、卒業アルバムや記念の集合写真、一番最初に目が行くのは誰ですか?そう!多くの方が自分をまず最初に探し、見ると思います。ここからも分かるように、誰しもが自分が大好きという事です。言い換えるなら、自分の事を理解してくれる人、自分の話を聴いてくれる人に安心感や好意を抱きます。熱い店長はいきなり「俺はこんなお店にしたい!俺についてこい!」とやってしまいがちですが、これは順序が逆です。まずはアルバイトさんと面談を実施し、アルバイトさんのことを良く知り、理解することが大切です。
× まず自分のやりたい事を理解してもらう
○ まずはアルバイトさんの事を理解する
よって、まずは各アルバイトさんとの個人面談の場を設けましょう。ただしそこでは、聞き役に徹し、アルバイトさんの事を理解する(知る)ことに注力しましょう。アルバイトさんの事を深く知ることで、今後どのように育成をしていくかの方針決定に役立ちます。
まずは面談設定しアルバイトさんを「知る」事に力を入れよう!
余談ですが、「相手を理解してから、自分が理解される」この順番、実は有名な「7つの習慣」という本から学びました。【20世紀に最も影響を与えたビジネス書1位】この良本!ぜひ機会があれば読んでみて下さい。
店長のやりたい事を伝える
面談を通して、アルバイトさんの事を理解し、アルバイトさんに「店長って私の話を聴いてくれる!」と思ってもらったら次のステップ!今度は少しずつ店長のやりたい事を伝えていきましょう。ここでも個人面談が効果抜群です。今はLineなどのチャット機能もありますが、想いを伝えるのはやはり、対面で話すのが1番です。ぜひ面談を設定し、やりたい事を伝えていきましょう。ここでポイントなのが、行動できる小さな目標を伝える事。いきなり「日本一のお店にしたいから協力してくれ」と言われても、アルバイトさんは「・・・」となります。まず最初のアクションで「アルバイトさんのことを理解する」際に、アルバイトさんの熱量が高ければ良いのですが、さほど高くない状態で「日本一」などと伝えると、この温度差がGAPとなり、なんだがギクシャクします。「日本一のお店にしたい!その為に、まずは小さなことでお店を少しずつ綺麗にしたいんだ!だから出勤したら、まず1分でいいからトイレを綺麗にしてほしい!」など、具体的な小さな目標を伝えることで、アルバイトさんは店長のやりたい事を理解しやすくなります
■伝える際のポイント
アルバイトさんが行動しやすい小さな目標を与える
率先垂範
率先垂範ってなんだ?と思った方もいるかと思いますので、意味はこちら
率先垂範
自分で手本を示すこと。 人より先に立って物事を行い、模範となること。 「率先」は、人の先頭に立つこと。 「垂範」は、指導する人が模範を示すこと。
要は、店長が先頭に立って行動し、アルバイトさんに背中を見せる事です。お店を綺麗にする為に、まずはトイレ掃除をしよう!と店長が伝えているのにも関わらず、店長が全くトイレ掃除をしなければ、アルバイトさんはどう思うでしょうか?「店長って口だけだなぁ!」と思うに違いありません。アルバイトさんから信頼を得る為にも、言ったことを率先して実行する「率先垂範」をしていきましょう。
率先垂範でアルバイトさんの信頼を得よう
やり方を教えて、やってもらう
いきなりですが、私が人材育成において参考にしている好きな言葉を紹介します。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
山本五十六
まさに、人材育成の順番を見事に捉えていると思い、いつも参考にさせて頂いています。この名言からも分かるように、率先垂範で背中を見せた後、俺の背中をみてやってみろ!ではダメです!やってみせたら、次は「言って聞かす」のステップです。行動で見せて、やるべきイメージを膨らませたあと、言葉で補足説明をすることで、やるべき事が明確になります。例えば、トイレ掃除をやって見せた後に、トイレ掃除のポイントは
- ゴミ箱のゴミをきれいにする
- 便器をダスターで拭く
- トイレットペーパーが3個以上あるか確認する
- ドアノブをアルコール消毒する
- 完了したらトイレットペーパーを三角折りにする
この5点のポイントを抑えて掃除をするようにしてください。
このように伝えると、やるべき事がより具現化され、行動しやすくなります。背中で伝えるのではなく、言葉で補足説明し、誰もが同じ動きが出来るようにしていきましょう。そして「言って聞かせる」ことが出来たら、次は実際にアルバイトさんに「やってもらう」ことにしましょう。人は実際に行動することで記憶に定着します。聞いただけでは、記憶に定着せず、ほとんど忘れてしまいます。簡単な事だから伝えただけで大丈夫だろう。ではなく、必ず実施させることで、記憶の定着をはかりましょう。
褒める
最後のパートです。最後は「褒める」です。人は褒められると、「人の役に立った」と嬉しい気持ちになります。覚えたてのアルバイトさんが完璧ではない状態で褒めるのは、違和感があるという方もいらっしゃるかと思いますが、褒める事は「肯定すること」です。指摘ばかりでは仕事が面白くなくなってしまいます。そこで褒める時のポイントは、
2ストライク1ボール
ストライク・・・肯定的な言葉(褒める、認める)
ボール ・・・否定的な言葉(叱る、否定)
を意識すると良いと思います。要は2つ褒め、1つ課題を与えるといった具合です。今回のトイレの例ですと
○○さん、伝えた5つのポイントが全て出来ています。特に便器はピカピカに拭いてくれてとても気持ちの良い状態になっていました。ただし、清掃時間が5分かかっていましたので、次は3分を目標に頑張ってみよう!
このように、2つ褒め、1つ課題を出すことで、成長が促されます。ぜひ、アルバイトさんの良い所を探し、褒め、そのうえで課題を伝えるようにしていきましょう。
2ストライク1ボールで褒めよう!
まとめ
お店はチームです。店長一人で結果を出すことは不可能です。逆に店長のやりた事をチームの皆が理解し共感してくれれば、売上だろうが、コスト改善だろうが、お客様満足度改善だろうが、全てうまく改善出来る可能性が飛躍的にあがります。まずはそのチームを作り上げる為の「人材育成」に力を入れてみては如何でしょうか?アルバイトさんとのチームを作る為に、アルバイトさんへ「ありがとう」と感謝を伝えることは凄く重要です。以下の記事は「ありがとう」の効果についてまとめている記事となります。ぜひこちらの記事も参考にしてみて下さい。
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