飲食店でクレームはつきものです。お客様からクレームを頂くと非常にストレスになり心身ともに疲弊します。しかし、その一方で「クレームは宝の山」という言葉があります。お客様の不満を受け止めて分析し、同じクレームを繰り返さない努力をすることで、顧客満足度は向上します。飲食店においてクレームが全くなくなることは考えられませんが、お客様の立場に立って冷静に謙虚に対応すれば、そのほとんどは解決可能です。誠意とスピード(初期対応)をもって臨めば、再来店率は上がるというデータもあります。「クレームこそファンを増やすチャンス!」と考え、自信をもって対クレームに臨んでください。
クレームの基本を学びたい方はこちら
今回は分かりやすく、飲食店で発生しやすい2大クレームについて対応方法を紹介します。
商品の提供が遅い(提供速度不満)
「いつまで待たせるの?」
こんな風にお客様に言われたら「ドッキ」っとしますよね。飲食店のクレームの中で最も多いのが、料理の提供時間の遅れ。特に時間の限られているお客様は、少しの遅れでもいらだちます。遅れが出はじめたら、できる限りクレームが出る前に所要時間をキッチンで確認し、すみやかにお客様に伝えて安心していただくようにしたいもの。日頃からお客様の表情や仕草を見て気配りをしていれば、クレームが発生する前に対応できるはずです。料理を提供する時には「遅くなりまして誠に申し訳ございません」と謝罪しましょう。会計時にはあらためて店長が「ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。 今後このようなことがないよう十分に注意いたします」と謝罪しましょう。
■ポイント
①最初に必ずお詫びをする。
➁来ていない商品を確認する
➂責任者(店長・社員・フロア責任者)に伝え対応の指示を仰ぐ
④料理の提供時間を確認
⑤お客様へ謝罪後、提供時間の説明
⑥提供時、再度お詫びをする
簡単な対応例を紹介します。
お客様 「いつまでまたせるんだ」
スタッフ 「大変申し訳ございません。すぐに確認して参ります。」
(この時点で、お客様のニーズは、「早く食べたい!」です。対応としてはご注文頂いた商品を出す事が1番の対応です。)
ここでスタッフのやるべき事は、
①責任者に報告
➁来ていない商品の確認
(責任者に対応を任せてもOK)
※料理がすぐ出ない場合 責任者が対応すること!
責任者「私責任者の○○と申します。ご飯の提供が遅くなり誠に申し訳ございません。只今ご飯を炊き上げておりまして。炊きあがりまで、もう5分程かかります。炊きあがり次第すぐにご用意致します。もうしばらくお待ち頂いてもよろしいでしょうか?」
誠意を持って謝罪し、事実をしっかりと伝える。この時の対応は、店長もしくは店舗責任者が行う事でお客様の納得度が上がります。お客様は料理が遅い事に怒りを感じているのは勿論ですが、「忘れられているんじゃないか?」「ちゃんとオーダーが通っていないのではないか?」など、あと何分待てばよいか分からない状況に苛立っています。誠意をもって、あとどれぐらいで出来上がるのかを伝えましょう。
異物混入
料理に髪の毛が入ってるよ!
人間の髪は1日70本も抜けるといわれているので要注意。異物混入は注意していても起こり得る案件なので、もし起こってしまった時にしっかりと対応できるように準備をしておきましょう。
■ポイント
①最初に必ずお詫びをする。
➁責任者(店長・社員・フロア責任者)に伝え対応の指示を仰ぐ
➂ここからは責任者が対応すること
④責任者が改めてお客様へ謝罪・混入経緯を説明をする
⑤謝罪の際、お客様の体調を気遣うこと
⑥商品の取り換えを提案する
⑦必要であれば名刺をお渡す
⑧お客様がお帰り時、改めて謝罪しお見送りをする
簡単な対応例
お客様 「ちょっと、料理にビニールみたいのが入ってたんだけど!」
スタッフ 「大変申し訳ございません。すぐに確認して参ります。」
(この時点で、お客様の不満は、「この異物の正体は何なのか?食べて害があるものなのか?」です。対応としては、異物に対しての説明し、商品の取り換えを提案することが望ましいでしょう。)
※ここで必ず、責任者に報告し、ここからは責任者が対応すること。
責任者 「私責任者の○○と申します。この度はビニールが混入し申し訳ございませんでした。お身体の具合はいかがでしょうか?」
お客様 「まだ食べてないから、大丈夫だけど、これは何なの?」
責任者 「おそれいります。今回料理に混入したものですが、恐らくビニールです。キッチンで野菜を小分けにする際に使用しており、料理作成時に誤って混入してしまったかと思います。もしお客様がよろしければ、すぐに新しいものに、取り換えさせて頂きたいのですが、如何でしょうか?」
お客様 「じゃあそうしてくれる」
責任者 「今から作り直しますので、お時間10分程頂いてもよろしいでしょうか?」
お客様 「いいよ。」
責任者 「ありがとうございます。それでは、すぐに作り直します。この度は申し訳ございませんでした。」
異物はお客様の体調に関わる案件です。必ずお客様の体調を気遣った対応をするようにお願いします。また、「金属片」や「鋭利な破片」また「害虫」などが混入した場合は
- 写真を撮る
- 異物をビニール袋に入れ保管する
- 必ず上長に報告する
この3点を実施するようにしてください。特に異物をすぐに捨ててしまわないようにしましょう。後日後日お客様から、入っていた異物が何だったのか正確に調べてほしいとの連絡を頂くこともあります。その際に、上記3点を実施しておくと対応がスムーズになります。
まとめ
クレーム対応は、何回経験しても嫌なものです。しかしながら、誠意を持って対応することで、クレームからお店のファンになってくれることもあります。人はミスする生き物です。そのミスを素直に認め、お客様の声を聴き、誠意をもって対応することで、お客様はファンになってくれます。ぜひこの記事を参考に、クレーム対応から多くのファンを作って下さい。
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