飲食店の店長さんなら、必ず耳にする言葉「棚卸し」!
多くの店舗の店長さんは、月末になると「あ~今日棚卸だ、めんどくさいな~」という声が聞こえてきそうですが、この「棚卸し」なぜこの面倒くさい作業を実施するのか?皆さん説明できるでしょうか?本日は、いまさら聞けない「棚卸し」について説明していきます。
動画で学びたい方はこちら
棚卸しを実施する理由
まず「棚卸し」とは、
棚卸しとは?
毎月決めた日(月末に行う事が多い)に食材の在庫状況を調べ記録する事。つまり在庫管理という事。そして在庫を調べ売上に応じた商品原価を把握します。
ちなみに「棚卸し」の目的は3つ
棚卸しの目的
- 正確な原価率を確認する為
- 在庫ロスを確認できる
- 売れない在庫の確認
特に重要なのは1点目の正確な「原価率」の確認です。では、なぜ棚卸しをすることによって、正確な原価率が出せるのか?を例題を参考にしながら解説します。
「棚卸し」を実施しなかった場合
次の例題を元に考えていきましょう♪
原価率の求め方は
原価 ÷ 売上 × 100
でした。
原価に関して詳しく理解したい方は以前の記事「小学生でもわかる原価とは?」をご確認下さい。
よって方程式に当てはめると・・・
やっぱり簡単じゃんと思った方、これでは、正確な数値は出ません。何故なら、「棚卸し」をしていないからです。
続いて、棚卸しを実施した場合を、例題を解きながら説明します。
「棚卸し」の求め方
まず、棚卸しを実施した場合の、原価率の求め方の公式はこちら・・・
急に、難しい単語が一杯出てきて、何だか分かりずらい・・・と思った方も多いと思いますが、大丈夫です!分かりやすく説明します
まずはこちらの表を見て下さい!
飲食店では、毎日必要な食材の仕入れを行います。今回の場合は、12/1~12/31迄に仕入れた金額、すなわち当月仕入れを把握すれば、原価率が出せる!と思っている方が多いと思いますが、実際は、そんなに簡単ではありません。詳しく説明します。
12/1の営業開始前には、先月分の在庫、つまり11/30の営業終了後にあった在庫がお店に残った状態で12/1の営業が始まります。
また、逆に12/31の営業終了後には、冷蔵庫に全く食材が無い!っといった状態にはならず、在庫が残った状態で12/31の営業を終えます。
よって、12月中に食材を仕入れたものの、12月中に使い切らなかった食材があるという事です。
聞きなれないよう用語の意味はこちら
月初に持っていた在庫
⇒期首棚卸高
月末に残った在庫
⇒期末棚卸高
よって、月初に持っていた在庫である「期首棚卸高」と当月に仕入れた食材費である「当月仕入高」を足し、そこから、 月末に残った在庫である「期末棚卸高」を引くことにより、実際12月中に使った正確な「原価」がわかるという事です。
これを元に例題を解いてみましょう。
「棚卸し」を実施した場合
次の例題で学んでいきましょう♪
「棚卸し」を実施した場合の方程式に当てはめると・・・
となります。
それでは、改めて「棚卸し実施前」の例題と「棚卸し実施後」の例題を比べてみましょう
それぞれ原価率を求めると・・・
となります。よって・・・
棚卸しを実施しなかった例題1では、「原価30%」だったのに対して、棚卸しを実施した例題2では、「原価40%」と、10%の差異が出ております。
金額に直すと
な、なんと60万円の利益が減少していることに、棚卸しをしなければ気づかなかったという事です。ほんとうに、怖いです。。。
まとめ
皆さん如何でしたでしょうか?
例題では、棚卸しを実施しなければ、60万円の利益が減少していることに気づかずに営業し続けることになってしまいます。棚卸しを定期的に実施し、お店の在庫状況や原価率を適切に把握することで、適切な利益の確保に繋がります。それでは本日のまとめです。
棚卸しをする事で適切な現状把握ができる。店長にとっては面倒くさい作業だが頑張ろう♪
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